??｜水川／グッドワイフ

??

2025/07/06 (日) 14:01:49

「国宝」観てきました。
国宝素晴らしかったなあと思うのだけど、それを私の言葉で説明するのにたくさんの文章が必要そう。

私はドキュメンタリー作品ばかり観ています。
なぜかというと、シナリオがあって演出のある物語作品には、シーンを構成する感情が「説明できるほどの数」しかなかったりして、「作られたお話だ」と観ている最中に感じてしまうことが多いから。
ドキュメンタリーにも映像の切り取りかたや並べかたで「操作」は入りますが、少なくともその場に発せられた被写体は、「剥き出しのありのまま」なので、私は違和感なく見ていられる。
言葉にならない感情や空気の粒が、映像に散らばっているのが好きなんです。

「国宝」は物語作品で、私が好きなドキュメンタリーではないから、最初は観るつもりはありませんでした。
けれど、観てよかった。
その理由について考えてみると、「作られたものであるからこそ、とても心を動かされた」そして「作りかたが素晴らしかった」ことがあるのかも。

「作りかた」については、芸事という私たちが楽しむために作られた「虚構的世界」と、作られた・構成から成り立つ「物語作品」の親和性がとても高かったのかなと感じます。
物語作品でリアルな感情に迫ろうとすると私は違和感を感じやすいのですが、芸事という現実から外れてしまう世界について描いているから、ドラマティックでも芸事の虚構と同じで不一致が起こらない。

また、もとは文学作品であり「選びとられた言葉」で作られた世界なので、作中の登場人物の役割を感じ取りやすかった。
一例を出すと幸子が墓地で感情を吐露する場面などは、もしあれがドキュメンタリー作品ならば、幸子はあんなりわかりやすい言葉で話したりは多分しない。
人間はもっと、コミュニティの中の、伝わらない拙い言葉で話す。
ですが「国宝」はもともと文学作品なので、登場人物の役割と伝えたいストーリーを「選び取られた言葉」で私たちに伝える。
「血筋ではない喜久雄の立場」「幸子の親としての心・半二郎に付き合わされる女としての気持ち」「家族というリアルを芸事の世界から飛ばしてしまう半二郎」「芸事に狂えば現実から離れてしまう」を確実に私たちにわからせるシーンだったと思う。
物語作品だからこそ、あのシーンが意味を成している。

あれ、もう文章すっごく長い😱💦
少し…クールダウンしますね🧊💫