わたしのM-1グランプリ。｜藤沢／グッドワイフ

M-1グランプリは、
私にとってその年を締める、大事なイベントだ。
例年は友達と鍋を囲んで見る。
今年は予定が合わず、ひとりで見ることになった。

12月21日
今朝は遠足の日みたいだった。
早く目が覚めて、昼前からずっとそわそわしている。

3時から予選。
昼過ぎに、ショーレースの時にいつも一緒に見る友達から連絡が来た。
予選から見る、という。
それで、もう流れが決まった。

友達とLINEを繋げたまま見る。
ネタの合間に、短く感想を打つ。
審査員のコメント中は、ほとんど喋らない。
だって、ちゃんと聞きたいから。

ネタでは笑う。
笑うポイントは、だいたい一緒だ。
笑わないところも、だいたい一緒だった。

長丁場なのは、分かっている。
本選までちゃんと見るには、体力を残したかった。
終わったらすぐ寝たいし、
お風呂を後にしたくなくて、
予選後半でジムへ行った。

今日だけは、ただのお風呂会員。
急いで入って、買い物をして、戻ってくる。

6時過ぎ。
予選は佳境、一番いいところ。

ジムの休憩スペースを、ちらっと覗いた。
テレビはついていない。
おばさんたちも、誰一人いなかった。
相撲の時とは、別世界だった。

あの空間でそわそわしていたのは、たぶん私だけ。

6時半。
マンションのエレベーターで、女の人と乗り合わせた。
スマホを片手に、何かを見ている。
覗くと、M-1だった。

好きなんだろうな、と思ったけれど、
声はかけなかった。

最初から最後まで見る。
途中で一度だけ、テンションが落ちた。
理由ははっきりしているけれど、
ここでは書かない。

でも最後に、ちゃんと救われた。
あり方は別として、
あのボケは、キャラじゃなくて技術だった。
久しぶりに、ぞくっとした。

正直、別の流れを覚悟していたから、
すごく嬉しかった。

面白かった。
予選から最後まで見て、
いい疲れだった。


藤沢📺